以前ビジネスホテルに泊まった時のことです。
2日間くらいだからまぁいいやと、
荷物を減らしたいばかりに
自分の洗顔石鹸を持たずにでかけたのです。
ところが備え付けの石鹸を使ってびっくりしました。
たった1日使っただけで、
皮膚がかさかさになってしまったのです。
それまで、友人や姉から「これいいわよ!」
と聞いた石鹸を、何も考えずに使ってきましたが、
こんなひどい石鹸もあるのかと驚きました。
それがきっかけで、少し石鹸について調べてみました。
手作り石鹸を作る方もいらっしゃいますが、
石鹸ってどうやって作るのかご存知ですか?
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昔ながらの製法は
まず、油脂(牛の脂とかヤシ油、オリーブ油)
を熱して、そこに苛性ソーダと水を加えて
ゆっくり反応させます。
すると石鹸とグリセリンが出来上がります。
このグリセリンを塩水で分解させて
石鹸成分だけを取り出して石鹸が出来るのですが、
この時刺激の強い苛性ソーダや、
洗浄力を弱める油脂をなるべく残さずに、
適度にグリセリンを残して石鹸を取り出すのが、
石鹸職人の腕だったそうです。
原料となる油脂が持っている
グリセリン、ビタミン類、エモリエントオイル
などの成分を石鹸にいかにして残すか
という技術が必要だったわけです。
しかしこの方法は時間がかかります。
現代の大量生産には向いていないのです。
では大量生産の石鹸は
どのようにして作られているのでしょう?
大量生産するためには
あらかじめ油脂を加水分解によって
脂肪酸とグリセリンに分けてしまいます。
その脂肪酸に苛性ソーダを混ぜて石鹸にするのです。
ですから、グリセリンやビタミン類は
はじめから入っていないのです。
で、どうするかと言えば
後から合成のものを添加するわけです。
この方法ではアルカリが残留しやすく、
刺激の強い石鹸になってしまします。
そこで、油脂を多めに残します。
油脂を残すと腐りやすい。
それで、防腐剤を配合しなければならなくなるのです。
そんなひどい石鹸がまかり通っているのです。
防腐剤は、石鹸の成分表示に
「エデト酸塩」という名前で表示されています。
そんな石鹸はなるべく使いたくないですね。
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では、どうやっていい石鹸を
見分けたらいいのでしょう?
それはかっちりと堅くて透き通った石鹸を選ぶ事です。
透き通った石鹸はよく煮あげられて、
よく攪拌されて作られている証拠です。
分子がきれいに並ぶと石鹸は透明になるのだそうです。
そういう石鹸は油脂の中のいい成分も
ちゃんと残っていて、しかも刺激が少ないのです。
美しい肌を保つ上で石鹸は基本です。
化粧品よりも一番大切な物だと
言ってもいいと思います。
石鹸ブームといわれ、
まわりにはいろいろな石鹸があふれているますが、
石鹸の本来の姿を知って、
よりよい石鹸を賢く選んでいきたいものだと思います。